特集 全国助産婦学生研究論文集・1
指導者の立場から
臨床の場での継続研究をのぞむ
中村 ケイ子
1
1熊本大学医学部付属助産婦学校
pp.93
発行日 1974年2月25日
Published Date 1974/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204658
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褥婦の動静中,積極的方法としての産褥体操を主とした研究テーマであるが,この方面の研究発表はいまのところまだ数多くはないようである。この研究も当初生理学的にまとめることを目的にしていたのであるが,限られた少ない時間内での研究ではどうしても無理があってこのようなまとめに終っている。研究の成果から見れば内容としてはいささか貧弱な出来上りに終っているが,研究そのものの過程を終始一貫見守った私からいえば,例えば一つ二つの例を挙げると,悪露測定,子宮底測定,食欲良否の判定など一つ一つ細部にわたり研究者各自の個人差(知識や技術の)があらわれてきて研究の進展をはばむという問題も生じてきたのである。そこでその歩調の乱れをならすために問題の発生つど,さらに討論をきわめ,参考書を読み,より多くの人々の意見を聞き,より正しい内容をもって相互調整を図りつつ,その研究を進めて知識を実証しようと努力しているその科学的な研究態度,事物の究め方,誠実な歩みかたについては,大いにこれを助長し,もって卒業後の将来における大きな成果を心から期待したいと思う。
なお対象者が各20例ほどになっているのは一定の条件を設けて厳選したためであるが,今後この研究は各自がそれぞれの職場において,さらに継続することにより一層多くの例数を把握しもって成績を確固たるものとして,褥婦管理技術向上に寄与してほしいものと念願してやまない次第である。
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