男心のエゴイズムをみる—「女の心」を読んで

　読んでいるうちに，著者はいったい何歳だろうかと思い頁をくって，著者の略歴を見た。70歳くらいのおじいさんが書いているのかと思ったのである。

　世の中で，「男性の心理を解明する。」とか，「男の正体を探る。」とかいうことはあまり騒ぎにならない。逆に女のこととなると，その正体を摑もうと男性はもちろん，女性自身までも目を血走らせて，「女」にいどみかかる。そしていろいろな方法が試みられ，いろいろな結論が出されるが，解ったようで，いっこうに解らない。女も変わる気配もない。