わだい
シトクロムb5レダクターゼ異常と遺伝性メトヘモグロビン血症
竹下 正純
1
1大分医科大学生化学教室
pp.1345
発行日 1988年10月30日
Published Date 1988/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913804
- 有料閲覧
- 文献概要
遺伝性メトヘモグロビン血症は乳児期から持続する全身性チアノーゼを主徴とするもので1),先天性心疾患とまちがえやすく,そのため運動や水泳を禁止されたり,就学延期や就職ができないなどの事態になることが多い.しかし,この疾患のチアノーゼはよく代償されており,健康人とまったく変わらない生活をしてもかまわない.またチアノーゼはビタミンCを服用することで,一時的にではあるが消失させうる.最近リボフラビンも有効なことが判明した.したがって,この疾患の場合,診断をつけることがたいせつとなる.
この疾患は常染色体劣性遺伝形式をとる.比較的まれな疾患であり,世界で250家系,わが国では約30家系・50例が報告されているにすぎない.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.