連載 私と読書
胸に迫るさまざまな母性意識—「おんなと母のあいだ」を読んで
須藤 千穂
1
1東北公済病院
pp.60
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204528
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毎日の新聞を開くたびに母性,あるいは女性に関連した記事が目につき,またこれらの大半は母性の喪失とか無責任な母親等々の形容詞が付き,まさにこのおんなシリーズ「おんなと母のあいだ」が取り上げているテーマそのものであり,全くタイムリーな本が発行されたものというのが第一印象である。
このエッセーの中で生々しく響いてくるのは私たちが直接関わりあっている「おんなと母のあいだ」「母と子の関係」という部分です。これらのエッセーを書かれた方々の母性のとらえ方は私が看護学生・助産婦学生のころ学び,そして現在行なっている日常行動より見た母性と比較すればまさしく異端的であり(異端という言葉がおかしければ新しくか),それゆえになんとなく異和感を抱くし,また一方では強烈な新鮮さで私の心に,母性とは一体何なのか?母性とはどうあるべきものなのか?という想いを抱かせた。
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