特集 退院後の産褥指導
家庭における母子管理の実際
笠原 トキ子
1
,
岸田 和子
2
,
鈴木 冨士子
2
1関東逓信病院
2関東逓信病院産科
pp.36-40
発行日 1973年1月1日
Published Date 1973/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204461
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はじめに
近年わが国の経済が高度に成長するとともに全国的に都市化現象が進み,国民の生活は改善され,その水準も高くなってきた。しかし,人生の出発点といっても過言ではない母子保健への認識は,一般的に低くその管理体制も現在なお弱体である。今後適切な母子管理を行なうためには,分娩を基点として産じょく期の生活指導を徹底し,さらに問題点の発見とその解決に努めなければならないと考える。
当院では,昭和44年の日本母性衛生学会総会で,産科病棟における退院時グループ指導の効果判定をアンケート方式により調査した結果を報告した。調査当時の保健指導は,じょく婦の環境や,ニードを把握せずに行なっていたため,調査対象全員に指導の効果は認められたものの,さらにじょく婦の背景を把握することの必要性が判明した。また,退院後保健婦や助産婦が訪問するまでの期間,すなわち10日間ぐらいまでに専門家の援助を求めているじょく婦が多いことも判明した。
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