連載 おんなの視座
「生む性」であるが故の差別
水戸 洋子
1
1保育問題研究会
pp.58
発行日 1972年12月1日
Published Date 1972/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204454
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「常識」化された差別
前号において,臨時・パートの大量の雇用化によって労働者間の身分差別の問題が出てきていることにふれました。しかもこのパート層とは圧倒的に主婦労働力であり,それは女であるが故にこの身分差の最底辺的おかれているということです。女の第一義的任務は家庭を守ること,家事,育児なので,この任務を全うするためにもパートしかない。女の天賦は家事と育児という考え方は一夫一婦制を支え,女の生きた活動を私的労役におとしこめる性差別の出発点的なものといえます。
この差別は教育・法律・社会通念などをもってくり返し「常識」としてかけられてきており,また歴史もこの不幸を一層陰惨に再生産させてきました。
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