特集 心身障害児
助産婦に望むこと—心身障害児発生予防のために助産婦として心得るべきこと
稲冨 道治
1
1関東逓信病院婦人科
pp.34-39
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203954
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近年,心身障害児は増加の一途をたどる傾向にある。もちろんこれは,奇形児などの出産の実数が増加したことにもよるが,医療の進歩により死亡が減少したこと,医療関係者をも含めて世間一般の関心が高まったこと,人命尊重の風潮が強くなったこともこれにあずかっていると思われる。
わが国では,心身障害者は12万に上る。他に精神薄弱50万と推定される。これは,ただに本人の不幸であるに止まらず,家族・社会にとっての大きな精神的・経済的負担となっている。費用についてみても,1人年間30万円を必要とするといわれるから全体としては実に年間2000億円もの出費となるわけである。
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