特集 心身障害児
心身障害児の発生原因—新生児幼児期にかけて
前川 喜平
1,2
1埼玉県小児保健センター相談部
2慈恵医大小児科
pp.29-33,39
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203953
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人間の脳は他の身体臓器に比して発達が速く,重量のみからみると生下時で,すでに成人の1/6,満1歳で3/5,5歳で4/5となる。この間に脳に障害が加わると,その結果として運動障害,知能障害,痙攣発作,脳障害による行動異常等を後遺症として残す。これらの症状は1つだけのこともあれば,いろいろと合併していることもある。
このうち運動障害と知能障害(知恵のおくれ)をおもに伴うものを心身障害児というわけである。したがって新生児より幼児期にかけて心身障害をきたす原因というのは,とりもなおさず,この時期に脳障害を起こす原因ということになる。これを括めてみると表1のようになる。このうちこの時期に原因としてよくみられるものについて以下順次述べてみることにする。
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