巻頭記事
助産婦による心身障害児の発生予防
正本 宗子
1
1九州大学医療技術短期大学部
pp.564-567
発行日 1975年11月25日
Published Date 1975/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204941
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1.はじめに
分娩時における障害がその後の児の発達・成長になんらかの障害を残す場合には,その子ども自身にとって生涯の不幸であるとともに,その家族も暗い生活を送ることになり,しいては社会問題に発展していくことになる。したがって,分娩に携わる医師,助産婦,看護婦は分娩時のこのような障害発生を未然に防止することに留意し,不幸な子どもの発生を避けるように努力しなくてはならない。
しかし,児の将来の成長・発達に影響を及ぼすと考えられる分娩時の因子は,従来考えられた機械的な児の損傷を意味するいわゆる分娩障害のみではなく,児の未熟性,仮死をはじめとする多くの要因が考えられ,その予防は必ずしも容易でない。ここでは私たち助産婦が日常行なっている看護領域について,たんに分娩時の問題のみでなく,母性看護の立場から心身障害児の予防について述べてみたい。
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