婦人ジャーナル
母親を憎む子ほか
山主 敏子
pp.65
発行日 1970年4月1日
Published Date 1970/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203919
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両親の不仲を苦にして自殺した少女のことが,いたましいニュースとして人びとの心を打った.子どもは親が考えているよりもずっと深く親を観察し,そしてひそかに批判している.おとなにとっては何気ない片言隻句も子どもの純な心のひだに激しいショックとなって刻みつけられ,意外な父親観母親観を形成している.それがふとあるとき爆発して親たちを驚かしあわてさせるのだ.
主婦と生活3月号の"子どもが自分の母親を憎むとき"という調査レポートも,世の母たちにとっては真実とは信じられないような子どもの心をあばいてみせている.子どもが母親を憎むなど考えられないと,母たちは思う.子どものために毎日をささげ,子どものためによかれとばかり考えて生活しているのに,それで子どもにうらまれたのではまったくやりきれない,どうしていいか分からないと,母たちはいうだろう.
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