母親達の育児不安—地域の意味と，専門家の責任

育児の現状

　いま，子育てのありさまをみていて，母親達は実に多くの"心配"をかかえながら子供を育てているように思う。それをいわゆる専門家や中年のオバさんからみて，いまの若い母親は育児が下手だとか，知識がない，やっぱりおばあちゃんと暮らした方が良いなどと，嘆いてみてもはじまらない。そういう問題ではなく，いま現れている育児不安には，社会的背景があり，そのなかで私達--医師や保健婦も大きな責任をもっていると思う。その現状認識からまずはじめたい。