産科並びに新生児病棟における看護管理に関する研究 分担課題
総合病院の産科病棟の位置施設設備及び看護管理に関する研究
松本 清一
1
1群馬大学
pp.12-33
発行日 1969年7月1日
Published Date 1969/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203777
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産科病棟で扱われる対象のほとんどは病人ではなくて健康な妊産褥婦であり,治療の対象ではなく,予防医学的な保健の対象である.したがってこれらの健康婦人を種々の疾患を持つ病人と同じ場所に収容し,同じ看護職員によって看護することは感染の危険や心理的影響などから当然避けねばならない.また褥婦の入院期間は褥婦自身の摂生や児の保育について指導し,自信と確信とを持たせるための大切な教育期間でもある.このような保健指導や教育も病人と同居している病棟では満足に行なうことができない.
そのため総合病院の産科病棟では,その位置施設設備および看護管理に関し特別の考慮が払われねばならないが,従来わが国ではほとんどの総合病院で,産科は婦人科とともに産婦人科として扱われ,それが病院を構成する一診療科で,他科と何ら異なるところのない一治療部門として考えられてきたために,産科病棟のあり方にはきわめて問題が多い.
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