口絵
産科の設備
pp.2-8
発行日 1954年10月1日
Published Date 1954/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200700
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産科では母体にも新産児にも,清潔第一という原則を動かすことかできない.上図は,分娩室の手洗場のある壁面を撮影したものである.手洗場の給水管は2本づつ見えるが,1方は給水,他方は給湯の管で,それが上部で合流するようにしてあつて,ハンドルの動かし加減によつて手洗の湯加減が自由にでぎるのである.2つの鏡の中間壁面に金属性の筒がかけられて見えるのが消毒用の石ケン液容器で,その下部に下つている金属棒を刷毛で少し押し上げると石ケン液が滴々と流出する.鏡の左側の壁にとりつけてある金属函は,消毒済みの刷毛が格納してある.その下端の前面に写真でも見える金属の把柄を動かすと,消毒の出来ている刷毛を1つずつ函の下端から自動的に取り出すことができる仕組みになつている.壁には秒,分,時間の時計がそれぞれがついており,正確に時間を読むことがでぎる.小窓は隣りの準備室(陣痛室)の模様を知ることができる.分娩室がふさがつており,急を要するときはそのまま陣痛室で分娩をとどこおりなくすませることができる.
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