特別レポート
開業助産婦より病院勤務に転向して
内田 まさ
pp.63-64
発行日 1969年4月1日
Published Date 1969/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203736
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昭和10年に開業して以来,開業助産婦として,自宅分娩の職に従事してきた私が,突然病院勤務をすすめられ,今さら,病院勤務の経験もないのにつとめられるかしらと思案したあげく,友人とも相談した結果,決心はついたものの,何となく不安で,決心もにぶるような始末でした.
そこへいよいよ嘱託助産婦の辞令をもらい,42年11月1日から勤務することになりました.勤務先は,埼玉県厚生農業協同組合連合会幸手病院,勤務の状態は,前から勤務している人と1晩交替で,午後5時から午前8時30分までとのことで,入院があった場合に当直看護婦が電話呼出しをする.それまでは自宅にて待機の姿勢でいればよいとのことでした.それまで長い間,自宅分娩の仕事には慣れているが,病院のことといったら何もわからず,様子も,やり方もちがうので,ただまごまごおろおろするばかりで,自分ながらいやになってしまいました.前の先生が,何かと親切に指導して下さって,どうにか様子もわかり,1カ月位過ぎた頃には,やっと慣れてはきたものの,まだ,先生でもお留守の時など不安でたまりませんでした.自宅に待機しているとき,電話のベルが鳴ると,胸がどきどきしたものでした.
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