対症看護講座 精神神経症状
精神神経症状
九嶋 勝司
1
1東北大学医学部
pp.10-16
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203219
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Ⅰ.精神神経症状とは
われわれが精神神経症状と総括した名称を冠するのは,頭痛・頭重・メマイ・耳鳴り・眼のちらつき・不眠・嗜眠・圧迫感・恐怖感・神経質・怒りっぽい(短気)・憂うつ・涙もろい・記憶力不良判断力低下……などの症状である.これらの症状一つ一つはいろいろな疾患の示す症状としても見られるので,症状の種類から原疾患をいいあてることはほとんど不可能である.この特集には頭痛やメマイについて別に項がもうけられているし,眼のちらつきなども意識障害の項で出てくるに相違ないが,前述のごとく,精神神経症状はいろいろな疾患が示す症状であるから,いろいろな角度から論ぜられてよいと思うので,本稿では重複することを気にしないで述べてゆくことにしたい.
妊婦が精神神経症状を呈しやすいのは自律神経失調症が心身症を合併したときで,その他の場合はまれに認められるにすぎないから,鑑別診断上一応記憶にとどめておけばよい程度である.
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