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助産婦不足とはどういうことか—産科ヘルパー教育論争に寄せて
高口 保明
1
1神奈川県立栄養短大
pp.49-50
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203118
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みんなで論じ合おう
本誌7月号で村岡さん(神奈川県立母子保健センター)が提起したのをきっかけに,京都産科ヘルパー学院の富田ドクターとの間に起こった論戦は,助産婦教育問題に関心をもつものに対して,いろいろと考えさせた.そこで私も一言いいたくなった.看護教育の今日に至る永い過程を十分知らないので少し気もひけるが.お二人のまじめな態度につりこまれたのだから許してほしい.望むところは,これをきっかけに多くの方がたが論戦に参加することである.関係者全部がはだかになって,それぞれの立場から問題を徹底的に検討し合い,そこでお互いが納得した事実を積上げて行くことが本問題の解決にはどうしても必要なのである.それほど問題は複雑で広いのだ.助産婦,産科医はもちろん,保健婦,看護婦,院長,公衆衛生学者,行政官,政治家,さらにひろく妊産婦や一般社会人のなかからも,率直大胆な意見がよせられねばならないのである.
このことは非常に大切である.助産婦というものは,本来一つの社会的職能である.だから,どのような資格と職務内容をもつべきかは,関係者や専門家の意見のほかに,当然社会からの要請や希望があってよいのだ.
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