母性保健特集講座 正常産褥
産褥の保健指導
田中 美代子
1
1慶応病院産科
pp.30-35
発行日 1964年8月1日
Published Date 1964/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202805
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目標とその成果
分娩期のはげしい精神的,肉体的の疲労よりやっと脱皮し得たその瞬間より,医療関係者特に看護の分野を担当するものにとって特に鋭敏な観察と適切な処置を行ない,静かに褥婦への指導が始められる.これは看護者自身の独走的主観によるものであってはならない.対象の褥婦の状態,すなわち個々の条件を持つ者への指導であること,またいかに高度の看護を身につけていても,褥婦がこれを正しく理解し入院中も退院後の産褥期もスムーズに経過できる自信を与えることのできる安定性のある指導でなくてはならない.
例えば退院後の乳房の管理,育児の技術,その他のすべてを褥婦がこれをマスターし,家庭に帰っても完全に実施できるようにすることによって,はじめてその保健指導の目的は達成するものである.
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