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新生児の病的嘔吐症の中の胃・食道の機能によるものについて
佐久間 浩
1
,
荒井 豊
1
,
富岡 清海
1
1賛育会東海病院
pp.52-53
発行日 1964年4月1日
Published Date 1964/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202741
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諸姉は諸姉が介助された新生児が吐乳するのにしばしば遭遇されるであろう.この吐乳にはご存知のように,病的なものと,そうでない生理的なものとがある.生後3目以内に分娩経過中に嚥下した,羊水とか血液や,胃液様の淡黄色の液体を吐くことがある.これは生理的で,日大の馬場教授は初期嘔吐と命名している.
従来新生児の生理的嘔吐は,新生児の胃の長軸が,ほぼ垂直であり,噴門の括約筋の力も弱いために起こりやすいといわれていた.しかし私どもがレントゲンで検索した結果では,被検児の体位によってちがうが,胃の形は多様で,立位の場合でも垂直ということはなく,溢乳,吐乳を訴える新生児では,食道の弛緩,拡張が認められるのが多かったのである.
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