座談会
助産婦の明日
村岡 八千代
1
,
青木 康子
2
,
斎藤 松枝
3
,
小谷 静恵
4
,
小幡 昱子
5
1神奈川県健康母子センター
2日本赤十字産院
3埼玉県中央保健所
4日本赤十字社産院助産婦養成所
5中央鉄道病院産科
pp.10-20
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202673
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司会(村岡)助産婦の現在の問題点というものは,終戦直後のいろいろな教育制度の変化時,改正時から現在の問題がすでに端を発していたということのようでございますね.確実なことはいえないんですけれども,占領下にあって教育制度が外国の人が日本の助産婦の形,あるいはあり方というものをよく理解しないうえで政策をとった.そこに問題点があったのではないか.もう少し具体的に言いますと,昔は施設外の分娩いわゆる自宅分娩が非常に多かった.ところが最近では,それがなくなってきた.むかしの助産婦は,最終的に《開業》という目的があったから,病産院の助産婦という立場は職制があってもなくても,あるいは待遇がどうであってもさほど問題にはなっていなかった.しかし現在はむしろ施設内分娩が多くなったので,助産婦の場が施設の中に大きく占めてくるようになったというところにいろいろな問題点がはらんできた.と同時に,今度は保健所でも母性の自宅訪問というものが,かなり発展してきている中で,保健所における助産婦の活動も期待されるに及んで,数が足りないあるいはいろいろな施設にも問題があるというふうなことで,現在では新しい問題もはらんでいる状況のようです.
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