特集 助産婦学生の臨床実習
助産婦教育のありかた—《厚生省系助産婦学院教務主任にきく》
松本 八重子
1
,
青木 康子
2
1国立大蔵病院付属助産婦学校
2東京都立公衆衛生看護学院助産婦科
pp.10-28
発行日 1970年2月1日
Published Date 1970/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203881
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
教育のじっさいと実習指導
松本 私どもの学院は,国立病院附属第1号の助産婦学校として発足したわけですが,これは,戦後,軍病院が厚生省へ移管され,国立病院として全国各地でその地域に密着した医療施設としての役割を果たすようになり,軍時代にはなかった分娩が相当数取り扱われるようになってきたこととも関連していると思えます.ご存知のように,国立病院では戦後いちはやく,看護婦養成所を設置し,多数の看護婦を養成してきたわけですが,助産婦の養成には手をつけていませんでした.ところが国立病院でも,現在の看護婦不足の表面化する以前から,深刻な助産婦不足がはじまっており,内部の需要を充たすだけでなく,国立病院として看護婦を養成してきたと同じ意味で当然助産婦も養成すべきであるという声が,内部からも,外側からも高くなって,いよいよ昭和43年に開始に踏み切ったわけです.設置第1号は東京からということになりまして,他に看護婦などの養成施設がないことと,敷地が広いので校舎を建築する余地があるといった理由から,国立大蔵病院に設置されることになったと聞かされております.したがって,助産婦学生の実習場として,分娩数が特に多いとか,産科が他科にぬきんでているというようなことは特にございません.
理想的な教育的環境ということは,なかなかむつかしいことですが…….
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.