研究
真空吸引遂娩と分娩介助について
松原 弘子
1
1岡山大学附属病院産科
pp.44-47
発行日 1962年6月1日
Published Date 1962/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202356
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
これは病院勤務助産婦の立場から"吸引遂娩"というテーマを症例を追つて検討を加えたものである.
17世紀Chamberlenが鉗子を考案して以来,児頭の急速遂娩法として広く用いられ,今日に到つた.長年の間に幾多の改良が加えられたが,児頭を大きな両葉ではさむという本質的な点において,軟産道が不当に拡張されたり,また児頭が圧迫されるために起る合併症はやむを得ないものとされて来た.また高位の鉗子や児頭の回旋についてはすぐれた技術をもつてしても,なお困難である.そこでこれらの本質的な欠点を除くために,児頭を狭まずに陰圧によつて器具を児頭に固定しようという試みが,古くは18世紀頃より行なわれたが十分な成功は見られなかつた.1954年Malmströmはこの方法を遂に十分実用できるまでに完成し良好な結果を得つつあると報告した.
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.