今月の臨床 安全な産科手術・処置をめざして
児遂娩術と帝王切開術における安全対策
吸引遂娩術(吸引分娩)
石本 人士
1
,
吉村 泰典
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.850-853
発行日 2005年6月10日
Published Date 2005/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100345
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はじめに
鉗子分娩や吸引分娩は,歴史的には分娩の遷延や停止に伴う全身状態の悪化から母体(産婦)を救う手段として登場してきた.しかし医学・医療の進歩により分娩時の母体死亡や重篤な合併症が激減した結果,現代の産科臨床では鉗子分娩や吸引分娩の施行に当たっては,いかに児の危険を回避するかに関心が移ってきた.両者には一長一短があるが,吸引分娩は鉗子分娩に比べ操作が比較的容易であることから,本邦のみならず欧米でも急速遂娩術として吸引分娩が主に用いられる傾向にある1~3).
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