特集 妊娠中毒
妊娠中毒症後遺症の新しい検討
田中 敏晴
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.44-48
発行日 1961年9月1日
Published Date 1961/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202199
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はじめに
妊娠中毒症に罹患後,高血圧や蛋白尿が遺残する症例が少なくないことが最近注目され始め,文部省学術総合研究の一環として「妊娠中毒症の慢性化に関する研究班」が結成され,全国的に鋭意その病態についての検討が行なわれると共に予防と治療についても広汎囲の研究がなされつつあります.我々も今回,従来の方法に加えて,わが教室で考案された妊娠中毒症の4型分類という新しい立場に立つて統計的考察を行なうと共に,新指尖容積脈波検査及びTransaminase定量による肝機能検査という新たな二つの方法を用いて妊娠中毒症後遺症の調査を行ない,興味ある知見を得ました.
まずはじめに我々の検討法の基本をなす上述の4型分類法を紹介したいと思います.
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