研究
臍の処置について
佐々木 コキク
1
,
金子 リヱ
1
1都立母子保健院
pp.27-28
発行日 1960年11月1日
Published Date 1960/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202019
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Ⅰ.まえがき
従来から,新生児期の臍の処置には,臍包帯が,欠くことのできない必要品とされており,現在でも広く,臍包帯が使用されている.当院の産科でも,昭和32年3月まで,晒でつくつた臍包帯を使用していたが,現在は,下記記載のような処置をしているので,臍包帯は使用していない.臍包帯を中止して,紙絆創膏による固定にきりかえた動機は,母親のところに移つた新生児が,臍部を排泄物で汚染するため,母親が臍包帯をかえてほしいと,ナース・ステーションにくる.このようなことが,再三あれば,助産婦は,「またか」という気持になる.また,多忙なときにくれば,すぐかえてあげることができないで,まつてもらうこともある.母親は,すぐかえてもらえない不満と,臍部が不潔になつたという不安で,いらいらする,ために母親の精神安静と,新生児の臍の感染予防と,勤務者の多忙緩和の一助にもと,考えたのが,この臍処置の工夫である.
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