書評
—長谷川 敏雄 森山 豊 木下 正一 編集—「最新助産学」
竹内 繁喜
1,2
1都立築地産院
2都立保健婦助産婦学院
pp.40
発行日 1960年6月1日
Published Date 1960/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201926
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新制度の助産婦学校では高等看護学校の卒業者或はこれと同等以上の学力ある看護有資格者を採用の対象としている.いう迄もなく4年制大学の第4学年に相当するわけで,教授内容も大学のと同様である.助産婦学校の厚生省指定の産科学は90時間もあり,この外に助産法が80時間,母性衛生20時間,衛生行政20時間というように実習時間を除いた,純学問的な時間が非常に多く,勿論産科学等は医科大学の講義時間よりずつと多い.検定時代の助産婦教科書は最近影をひそめてしまつたが,この程度の内容では学問的にも実際的にも不充分である.私達が助産婦学生を教える場合に一番困るのは参考書や教科書の問題で,どこでも医科大学の学生が使う産科学を使用しているようである.私達も大体大学の学生が習うと同じ講義をしているので,大概はこれらの教科書で間に合うようであるが,医科大学では5〜6年目で産科を習うから,大学の産科学では一寸理解できない点があり,ことに病理などには取つつき難い感じがする.又産科学では助産法等との連絡がないからこの点でも少し困るようである.
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