座談会
医師のくるまで
落合 よね
,
小林 きく
,
関 闡
1
,
竹内 繁喜
2
,
堀内 とし
,
和田 やす
,
木下 正一
3
1都立墨田産院
2都立築地産院
3木下病院
pp.20-33
発行日 1957年9月1日
Published Date 1957/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201335
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助産にはつきものの突発事故
木下 それでは始めることにいたしますが,今日の題目は"医者が来るまで"というのですが,助産の仕事は助産婦がするとは申しますが,実地においては正常産と異常産との境目は誠に紙一重であり,また正常から異常への移り変りというものが全く突発的ということが多いのであつて,従つて分娩介助に行つておる場合に急変があるというようなことで,早速医者を呼ばなくてはならない.しかしいつも直ぐ医者が来るという訳でもなし,又直ぐ来るといつても若干の時間がかかる.その間手をつかねて待つておる訳に行かないので,いろいろ大小さまざまの苦心談,気のもめる話,成功談や失敗談などがあると思うのです.皆様にも今いきなりではなかなか思い出せないでも,少しお話している中に思い出せば,細かいこと大きいこと,必ずいろいろあると思います.自分では些細なことだと思つていても経験の少い人,初めての人には矢張り非常に参考になる話だと思う.ですからまず事の大小或は軽重というようなことは問題にしないで,自分達が分娩介助に当つて医者を呼ばなくてはまらないというようなことが起つた場合に,医者が来るまで一体どういう風に処置しているか,またそういう時にどういうことにぶつかるかというようなことをあまり型通りの教科書風でなくて,実際の経験に合せて話をして頂きます.
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