臨床検査の知識・5
検便
石井 暢
1
1国立東京第一病院研究検査科
pp.46-50
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201285
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はじめに
臨床検査には極めて多種多様な検査法がある.それらの検査法のうち検便はとかく軽視乃至敬遠され勝ちなものの一つであると思われる.しかし乍らこれを軽視することは全く誤りであつて,例えば腎炎の疑いある患者の診察に当つて直ちに検尿(尿蛋白の定性及び尿沈渣の鏡検)を実施し更に進んで種々の血液化学成分の定量或は腎臓機能検査法など複雑な検査法を実施して疾患の有無,程度を決定するのが普通である.決して一足とびに複雑な検査に入ることはない.
種々胃腸疾患に於いても同様で検便が検査法の最初に行われるものでなければならない.
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