受胎調節指導一年をかえりみて
企業体の中で
林 まつ子
pp.16-18
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201243
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私はこれから企業体の中での受胎調節について少しお話して見たいと思います.会社によつては新生活運動の指導員と呼んでいるところもありますが,私のところでは,家族計画運動の指導員として活動しております.鉄道関係の会社ですので,工場の場合と違い従業員の職場も住居も駅伝式に広範囲にわたり,30世帯も集つている社宅もあれば一里も離れた所に一軒ぽつんとあつたりします.
勤務先の地位にも相当の差があり,会社側があるかと思えば労組の委員長もおります.家庭の環境はそれ以上多種多様で,勤め人の奧さんとして,経済的にも時間的にも恵れて,教養のある上に,新聞雑誌に親める方もあれば,幼児を見ながら遊んでいるのはもつたいないと,内職している方,商店あり,美容院あり,飲食店あり,農家の嫁として親と百姓をしている妻もあります.このあたり一般の指導員と変りはありません.しかしいずれも同じ会社の従業員であり,本社から派遺された指導員というので尊敬と親しみを持つて迎えてくれることです.
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