書評
—加藤勝治 菅野浩和 共著—輸血と血漿療法—ナーセス・ライブラリー
pp.29
発行日 1957年1月1日
Published Date 1957/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201190
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胃から吸収された栄養物を貯蔵器官へ,内分泌器官から分泌されたホルモンをそれぞれの器官へ,老廃物を腎臓へ,または肺で取入れた酸素を組織に運び,逆に組織で生じた炭酸ガスを肺へ運ぶなど生命を維持するための重要な活動をする血液は,その人が生きている限り四六時中,その人の血管の中をかけめぐつている.それ故,血液が外傷によつて,お産によつて,手術によつて,潰瘍,悪性腫瘍痔などによつて出血し,休内の血液が必要量以下になる時には直ちに血液を補わねばならぬ.このように,患者の血管に他人の血液を注入することを輸血という.
しかし輸血といつても簡単にできるものではない.第1に必要の際に患者と同じ血液型で,しかも健康な血液を供給してくれる人がいるかどうかという問題がある.これに応えるために生れたのが血液銀行である.血液銀行は供血者を募り供血を受け,梅毒検査,血液型,細菌学的検査を行つた後,それの保存をし,必要の際に速かに輸血が行える体制を整えている.
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