特集 未熟児
未熟児を取り扱つた経験
佐藤 ハルノ
pp.64-67
発行日 1956年8月1日
Published Date 1956/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201109
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
未熟児とは,その在胎月数や他の条件に関係なく,出生時の体重が2.5kg以下で生れたものを云うようであります.
然し「2.5kg以下」と一言で云いますが,それを取り扱つた誰もが経験する様に,片手に軽々と載る程のあの「小さな魂の塊」とも云うべきみじめな姿をみる時何とかして一人前に生かし育てたいというのが人情でしよう.未熟児に関する私のいくつかの経験の中で忘れることのできないのは,一時は医者にも見放きれてあきらめかけていたものを尽くすべき以上の手を尽くしたおかげで少しづつ成長し,遂に危機を脱する事のできたあの喜びでこざいます.
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.