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傳染病食中毒統計を扱つて
石丸 隆治
1
1厚生省公衆衞生局食品衞生課
pp.100-101
発行日 1950年8月15日
Published Date 1950/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200704
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編集者から筆者にあたえられた題は,「統計の批判」であるが,私は統計を專門にやつたこともなく,また今迄取扱つた統計も限られた狹い範圍内のものであり到底あたえられた題目について滿足な考えをまとめ得ないので,筆者が今まで傳染病及び食中毒統計を取扱つているうちに感じたことを思いつくまゝにのべることにする。
由來,わが國では社會一般,ときには學會に於てすら統計の意義を解せず無用な存在とみなしていた傾向があつた。醫學會に於ても疾病統計について表面に表われた數字のみで百分率を論じ,致死率を計算するにとどまり,それ以上の論議とか,得られた統計數値の批判に無關心であることが多かつた。
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