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男女性の決定説(3)
小林 茂雄
pp.68-72
発行日 1955年11月1日
Published Date 1955/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200956
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ホ.最近に於ける性の決定説
あらゆる怪奇や,不思議な現象が,科学の力に依つて氷解の緒につき初めたのは,最近のことである.換言すれば前時代に於いて,疑問とせられた事実が此の時に至つて,解決せられたのである.そして此の時代に於ける科学の発達は著しく,医学及び産科に関する学術にも発見が多くあつたが,それは此の時代の末期から,現代にかけての進歩であり,上期から中期までは,まだ試験時代とでもいうべく,すべての事実は,試験に依つて解決すべく,学者は争うて試験を行つた.これが今日の大成を来たした近因となつたのである.それで本時代に於ける分性説の経過を次に順を追つて,説明を試みる事とする.
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