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お産に関する傳説(3)
小林 茂雄
pp.46-48
発行日 1954年8月1日
Published Date 1954/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200673
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お座の時の散米と望粥
お産の時に行う儀式の一として,むかし,産室に米を撒いたことは,前にも記したが,其の由来は,遠く神代に渕源して,もとは新殿を造る際に,惡神を退け邪気を護うために行つたのから,起つたものであることが知られる.
産屋も新殿の一つであるから,産屋を設ける時に,米を撒き,それがお産の時にも,同じ儀式を行うようになつたのは,連続関係の然らしむるところで,家というものから,波及したのである.新殿に稻を置き,また,産屋の屋上に木または稻を置いたのも,同じ意味で米を撒いた習慣と見るべきである.
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