講座
寒い季節の新生児の養護
馬場 一雄
1
,
松岡 孝子
2
1賛育会病院小児科
2賛育会病院
pp.6-12
発行日 1955年11月1日
Published Date 1955/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200942
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〔Ⅰ〕
1.緒言
米国の8大都市の調査によると,1月から4月までの間に生れた子供の新生児死亡率は,四季を通じての平均値よりも著しく高いことが知られて居る(斎藤潔:小児死亡原因の分析,昭29.55頁).新生児死亡の季節的推移は,我が国でも同様な傾向を示すものと想像されるが,冬季に死亡率の高い理由を我が国の死亡統計(斎藤:前出65頁)から推測すると,所謂先天性弱質児の死亡や,肺炎,気管支炎の様な気道感染に基く死亡が増加して居るためと考えられる.
従つて,寒い季節に生れた新生児の養護にあたつては,之等の点を念頭に置く事が大切である.そこで,此の点を考慮しながら,寒い季節の新生児養護に特に重要と考えられる事がらを概説して見たいと思う.
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