講座 ラジオ・メモ
寒い季節の妊産婦の攝生
真柄 正直
1
1日本医大
pp.24-26
発行日 1954年2月1日
Published Date 1954/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200542
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インフルエンザ
まず第一は風邪にかからないように注意することであります.殊にインフルエンザに侵されないように注意せねばなりません.「風邪ぐらい大したことはない」という考えがそもそも誤りでありましてインフルエンザは種類によつては妊娠していない人々にも大きな障害を及ぼすものでありますが,殊に妊婦には非常に重大な結果を来すものです.妊婦が伝染病にかかる場合インフルエンザが一番重いという学者があるほどであります.すなわち妊婦がインフルエンザにかかりますと肺炎になることが多く,また流産や早産になることが多いのです.そうして肺炎が併発したり又は流産や早産をしたりしますと,症状は甚だしく重くなつて相当数の死亡がみられるのであります.インフルエンザの中にはあちこちの出血を起す種類がありますが,このような種類のインフルエンザに罹りますと,特に流産や早産を起しやすいのです.
豫防は,映画館やデパートなどの人混みに行かないことです.やむなく混んだ電車などに乗らねばならない時には,他人の咳のしぶきなどを防ぐために,きれいなガーゼで鼻や口を被うか,マスクをかけるのです.
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