講座
妊婦と栄養—(その4)
中津 幸男
1
1愛育研究所母性保健部
pp.16-19
発行日 1955年6月1日
Published Date 1955/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200859
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7.無機塩類(続き)
(二)食塩 人体に於ては胃液の塩酸を除けば塩素は殆んどナトリウム塩として存在して居る.カリウム塩が大部分組織実質内に含まれて居るのに対し,ナトリウム塩は血漿,淋巴液,消化液等組織液中に含まれ細胞内外の滲透圧,水分代謝に関係する.
妊婦血液中食塩量は非妊婦と大差なく,尿中食塩量は減少し,食塩出納は陽性,即ち摂取量よりも排泄量が少いとする者が多い.筆者の研究によれば血液中食塩量は妊娠前半期には非妊婦と大差なく,妊娠後半期には非妊婦と大差はないが稍々増加し,尿中食塩量は妊娠前半期には非妊婦と大差なく,妊娠後半期には減少する.
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