講座
妊婦の体重について
塚本 胖
1
1松下病院産婦人科
pp.20-26
発行日 1955年6月1日
Published Date 1955/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200860
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はしがき
妊娠全期を通じての妊婦体重の推移は,個人的にも著しい差が認められるもので,妊娠中,特に初期には時間的に却つて体重の減少することもありますが,多くは分娩まで増加し続け,分娩後は急激に減少を示します。妊娠時に妊婦の体重を測定する必要があることは,既に,1世紀以上も前から提唱され,その後も妊婦体重の増加について各方面から検討が加えられましたが,生理的な増加量(或いは増加度)についても,未だ結論を見ない現状であります.
異常さえ無ければ,妊娠,分娩は飽くまでも婦人の生理的な現象として,取扱うべきで,又そう考えて処置することが望ましいのでありますが,自然のままに放置するのも無謀で,綿密な観察と周到な注意で,妊娠経過を見守り続けると同時に,異常を可及的早期に発見して,之に対処することが吾々の任務であることは云うまでもありません.
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