講座
神經(2)
萬年 甫
1
1東大脳研究所
pp.62-69
発行日 1955年5月1日
Published Date 1955/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200854
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腦のうちで大脳半球と小脳を除いた残りを一般に脳幹とよんでいる.間脳,中脳,橋および延髓がこれに属している.脳幹は生活に不可欠の部分であり,こうした意味では大脳皮質は脳幹ほど重要ではない.魚などは大脳皮質を殆んど有しておらず,脳幹だけで生活していると云える.八間でも生れつき大脳皮質がない奇型児でもかなり長く生存することが出来る.しかしそれはただ生きているというだけであつて到底人間としての社会的いとなみなどは出来得べくもない.即ち動物が高等になりその生活が複雑になるにつれこれに応じてゆくには脳幹だけでは不充分であり,新につけ加はる大脳皮質の統御が必要となるわけである.
以下,大脳皮質以外の各部分の構造と働きについて簡単に述べよう.
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.