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坐骨神經痛
近藤 銳矢
1
1京都帝國大學醫學部整形外科學教室
pp.1-9
発行日 1947年2月10日
Published Date 1947/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200179
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第45囘日本外科學會宿題報告要旨
緒言
坐骨神經痛が平素臨牀醫家の診療對象となる機會は頗る多い。元來坐骨神經痛にしても腰痛にしても,單に一症状に對する呼稱に過ぎないにも關らず,實地上恰も疾患名であるかの如き錯覺の下に取り扱はれ,從來兎角其の發痛原因の究明は等閑に付され,治療に關しても悉く對症的,姑息的療法に終始してゐたかの觀があり,從つて其の治療成績に至つても,我々を滿足せしむるに足るものが無かつたのである。我々は豫て産業醫學的に本問題の重要性を痛感し,斯る疼痛のため減殺乃至喪失せしめられたる肉體的作業能力の恢復を如何に企圖すべきかといふ見地から,本問題の再檢討を企て,其の原因を探索して外科的立場から是れに對する根本的對策を講ずることにより其の治療成績の改善を計り度いと考へた次第である。
さて坐骨神經痛或は腰痛を主訴とする患者につき我々が手術的に處置した症例は總計185例に上つてゐる。此の症例は昭和14年4月以降昭和21年3月末に至る滿7年間の經驗である。
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