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性交により起つた常位胎盤の早期剥離の2例
俵 アイ
pp.46-48
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200831
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常位胎盤の早期剥離と云えば原因は色々あるけれど一般には,妊娠中毒症による腎炎又は高血圧症による場合が多く,性交によつて起る事は余り考えませんでしたが昨年は2回も続けて起き,その他にも2人出血があり安静を10日間も続けてやつと止り,その間医師の診察を受け注射内服等も行われました.
今まで早期剥離の頻度を見ますと大正10年から昭和19年まで取扱つた分娩数5000の内,重疾で開腹手術を行い母体だけやつと助けた者3例,自然分娩で母体だけ助かつた者2例自然分娩で母児共に無事であつた者12例,合計17例で此の原因は,重疾の5例は全部中毒症で,軽症の者は色々の原因がありましたがなかなか原因不明なのも2例程あります.或いは性交による場合もあつたかも知れませんが.本人がはつきり申されない事もあつたかも知れません.
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