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お産の迷信と儀式(2)
小林 茂雄
pp.68-71
発行日 1955年2月1日
Published Date 1955/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200800
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各民族に於けるお産の風習(続)
ソ国(旧露西亜)の旧教を奉ずる或る種族では,子供の生れた時に,いとも嚴肅な儀式を行うところがある.それは神殿において,父親が子供の成育に任ずること,また其の子供が神の安全の保護を得る代りに,何時でも神の犠牲に供することを,惜まないという誓いを神の雨で行うのである.恰もアブラハムがヤコブを授つた時に,神に誓つたような儀式をするのである.
此の儀式が卒ると,司祭僧が進んで,嬰兒の体に,一種の油をそそぎ,それを神に捧ぐる形をなして,母に渡す.母はこれを受け取つて家に帰り,親戚や知人を招いて,盛んなお祝いをするのである.
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