講座
子癇の予防と処置
奏 淸三郞
pp.10-14
発行日 1953年2月1日
Published Date 1953/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200269
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Ⅰ はしがき
子癇は分娩の略1%に於て見られ,その実数は相当多数であり,その母体死亡率は治療法の相当進んだ今日でも,尚10-20%である上に,一命をとり止めても継発症として,5-6%に於て数カ月間の精神病や失語症になり,最も不快なるは平均20%(16-60%)に於て高血圧症ないし慢性腎炎に移行して数カ年の安静加療を要する事が多く,更に次回分娩時には2-10%に於て子癇の再発を見るという誠におそるべき疾患である事は衆知の通りである。即ち妊産婦母体死亡率の最も多い疾患であるばかりではなく,胎兒も30-50%平均40%も死亡する疾患であるために原因究明に,又治療に多くの研究がなされつつある。
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