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助産婦の年令—必ずしもひとごとではありません
瀨木 三雄
pp.49-52
発行日 1952年8月1日
Published Date 1952/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200166
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助産婦の年令はどんなものか。助産婦の会合などでお目にかゝる方々をみても,妙齢の方は尠くて,大低は中年以後の方であり,相当な年の人も多い。産姿さんという言葉に愛情を感ずる人が多いのも当然である。尤も医師でもヒゲ位用意しておかないと仲々患者の信用も得られない世の中であり,娘の樣な御婦人に大切なお産をまかす心理になれないのも人の心の然らしめる處でもある。御婦人の方がまさかヒゲを貯えることもできず男の人と違つて,一般的風貌で信用度を高めるより仕方もあるまい。助産婦として世に立つ人が相当の年輩の人たるも,むべなるかなである。余談はさておき,日本の助産婦の年令構成がどうなつているか。いままで正確な資料がなかつたが,厚生省看護課で作つた昭和25年12月末の資料により,これを図示説明してみよう。
第1図は昭和25年末全国助産婦56,198名の年令別割合を円グラフに示したものである。最も多いのは40〜44才で,9,419名,全助産婦の16.8%が,この更年期前の年令にある。次は35〜39才で,8,848名,15.7%,助産婦さんの略々3分の1が,35〜44才の間にある。ついで45〜49才8,082名,14.4%,つぎが30〜34才の7,382名,13.1%となつている。50才以上の人は1万4千余。助産婦の約4分の1。この数字は第1表に記す樣である。
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