主張
精神年令と肉体年令
pp.4
発行日 1953年1月10日
Published Date 1953/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200427
- 有料閲覧
- 文献概要
人間の体が,酸素と窒素と水素と,其の他,何と何がどれ位によつて構成されているというような人間の身体の構成物質は一応あげることが出来るかも知れないけれど,人間としてもう一つ重要な要素である精神の問題はどうなるでしよう.どんな精神とどんな精神がどれ位……などとあげられるでしようか,そして更に精神がどれ位,肉体がどれ位などとその割合がわり出されるでしようか.霊肉一致という言葉もある位これは到底不可能な問題だと思います.
ところが此処に不思議なことがあります.それは,"あの人は年の割に気が若い"とか,"若いくせに年よりみたいな考えだ"ということをしばしば耳にもし,又,体驗もする事です.これは,精神と肉体とが,歩調を合わせて進んでいないということを示すものだと思います.そうすると,精神的な面からみた年令と,肉体的画からとる年令との間には相互にげんみつな関係はなく,自由に別々に年令を構成していくもののようです.
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.