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「アメリカの助産婦」
村松 稔
1
1国立公衆衞生院衞生人口学部
pp.38-41
発行日 1952年8月1日
Published Date 1952/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200162
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この雑誌の編集の方から「アメリカの黒人助産婦を訪問して」というような題で執筆を依頼され,御引受けしたもののさてこうして筆をとると,何をどうまとめて書いたらよいかと一しきり考えて見た。私の留守中たしかに黒人の助産婦を訪問したことがあり,それが丁度今から1年前の昭和26年の6月であつたこともよく記憶しているが,ただそれだけについて書いたのでは話としてもいささか物足りない上に,素人の単なる訪問記のようでこの雑誌の読者諸姉にはあまり面白く読んでいただけそうもない。さればといつてアメリカの助産婦制度を専門的に詳しく紹介するとなると,その目的にではなく,公衆衛生を学ぶ者の立場からその大きな分野の一つとして見たり聞いたりしただけの私には荷が重すぎる。こんな事情でこの文章はごく形式にとらわれぬ気持で,私がかつて母子衞生にもいくらか関与したことのある医学徒という経験から,アメリカの助産婦について見聞し,感じたことを述べてみたいと思う。
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