特別寄稿
アメリカの助産婦はいま
武者 貴美子
1
1元・北里大学病院
pp.392-396
発行日 1989年5月25日
Published Date 1989/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207616
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はじめに
助産は,医療分野における最も古いカテゴリーのひとつである。アメリカ合衆国では,産婆は植民地時代から存在していた記録がある。しかし,アメリカの助産婦(nurse-midwife)制度は,正看護婦制度(registered-nursing)と同時に発展していったヨーロッパの国々と比べ非常に遅れていた。一般的に,他の医療従事者の間においてさえ,助産婦の機能についてはほとんど知られていない。1950年代から60年代にかけて,本来看護の分野と考えられていたところから多くの医療職種が独立していった。その結果生じた医療従事者間での職域のオーバーラップが,助産婦の存在をよりあいまいにしているのかもしれない。
そこで,筆者はアメリカの助産婦の現状を分析し,その役割と責任を明確にすることを目的に文献を集めてみた。
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