講座
妊娠初期の疼痛
渡邊 行正
1
1慈恵医大
pp.19-22
発行日 1952年7月1日
Published Date 1952/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200138
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妊娠初期に疼痛を来す代表的疾患として先ず拳げられるものは最も屡屡遭遇する流産開始と子宮外妊娠中絶であるが,尚其他にも性器又は隣接臓器の病変に基く種々の疼痛が見られ,其診断は妊娠の診断と相俟つて毎常必ずしも容易ではない。
疼痛は云う迄もなく疾病の重要な自覚症状の一つであるから常に細心の注意を払うべき事は勿論であるが,殊に妊娠初期に見られる下腹痛は妊娠現象に異常を生じた場合若しくは妊娠に直接影響を及ぼす病変を意味する樣な場合が多いから,仮令軽微な疼痛でも決して看過する事なく良く観察して其起因を確め治療に万全を期する事が大切である。
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