書評
—小林 敏政 著—母性衞生とその指導
N
pp.29
発行日 1952年3月1日
Published Date 1952/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200061
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女性が思春期に達して初めて男性と生理的に大に異つて來る。此將來母性としての活動の基盤をきずき,母性として妊娠分娩,育兒という天職を全うしなければならない責任を負うものである。從つて母性として天職を全うするには精神的に肉體的に健全でなければならない。母性衞生の目的は單に自己の天壽を完うする目的ばかりでなく,次代を擔う國民を健康に育成する點から見ても重要性があり,これがために完備した健康體を維持しなければならない。本書は女性の小兒期,思春期から成熟期,更年期,老年期の各段階に分けて,社會的事情を充分考慮に入れて,結婚,妊娠,産兒制限等についての生理衞生上の正しい知識を極めて判り易く與えてある,單に助産婦諸子に親まれての好著であるばかりでなく子女をもたれている家庭でも一書を備えて益する處が多いとおもう。
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