Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
ゲーテの『若きウェルテルの悩み』—ケア的な人間としてのロッテ
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.996
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203222
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1774年にゲーテが発表した『若きウェルテルの悩み』(内垣啓一訳,『世界の文学5』,中央公論社)に描かれているウェルテル永遠の恋人ロッテには,すぐれたケア的な人間もしくは精神療法家としての資質が認められる.
ある舞踏会の夜,それまで地平線で光っていた稲妻が急に大きくなって,雷鳴が音楽をかき消した.混乱が全員を包み,音楽も止まって,「一番利口なひとは片すみにすわって,背中を窓に向け,両耳をおさえた」.
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