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特集 高次脳機能障害者を地域で支える
急性期病院での対応
Support for the patients of higher brain dysfunction and their families in acute hospital
秋元 秀昭
1
Hideaki Akimoto
1
1武蔵野赤十字病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Musashino Red Cross Hospital
キーワード:
高次脳機能障害
,
支援
,
急性期病院
,
脳卒中相談窓口
,
リハビリテーション科専門医
Keyword:
高次脳機能障害
,
支援
,
急性期病院
,
脳卒中相談窓口
,
リハビリテーション科専門医
pp.899-904
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203204
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はじめに
高次脳機能障害の地域支援における急性期病院の課題は,きちんと診断され,患者と家族へ説明がなされているのか,という点である.そして急性期病院の医療スタッフは「どれだけ高次脳機能障害について知っているのか」という疑問を投げかけられる.これらの背景には,生活期になって多くの患者や家族から「急性期病院では高次脳機能障害について説明を受けていない」との意見を聞くことが多く,高次脳機能障害についての説明の遅れを指摘されるという問題がある.
筆者は17年ほどの脳神経外科診療の後,リハビリテーション科に転向し,生活期の高次脳機能障害支援を経験したのちに,脳神経外科医として勤務していた病院にリハビリテーション科専門医として赴任している.現在も東京都や近隣市の家族相談会に参加しており,生活期の患者や家族の生の声や支援者の意見に接しながら急性期病院で診療を行っている.その筆者がこの課題を考えたときにまず頭に浮かんだのは,「急性期病院の医療スタッフは高次脳機能障害について知ってはいるが,生活期支援の実経験がない」ということだった.本稿では,武蔵野赤十字病院(以下,当院)ならびに筆者の現状,そして新しい動きについて述べ,高次脳機能障害に対する急性期病院での支援の今後の展望について考えたいと思う.
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